ココロガタの技術報告 調整中

ココロガタがどう作られ、どう採点し、どこまで分かっていて、どこからが分かっていないかを書いた報告です。

この報告の精度や信頼性の数は、ほとんどが英語データの値によるモデルの試算で、一部は英語の実データでの値です(その都度書きます)。 日本語の回答で測った値ではありません。日本語の回答が集まったら計算し直し、この報告を新しい日付で書き直します。

1. 何を測るか

研究で広く使われている「性格の5因子」の考え方をもとに、4つの軸を作りました。内向 ↔ 外向は外向性、現実 ↔ 直観は開放性、論理 ↔ 共感は協調性、柔軟 ↔ 計画は誠実性に対応させています。

希望すれば「揺れやすさ」(安定 ↔ 繊細。神経症傾向に対応)も測ります。これは4文字には入れません。

軸ごとに、もう一段こまかい項目(下位項目)を5つずつ(揺れやすさは4つ)持っています。項目の名前は、その項目が扱う話題を言う名前にし、どちらの側も欠けとして読めないようにしています。項目ごとの点は問題の数が少ないので、目安として出します。

位置は 0〜100 で示し、「〜寄り」と言います。50 は英語の公開データの回答者の真ん中で、日本の人の中での位置ではありません。

2. 問題の出どころ

問題文は、IPIP(International Personality Item Pool。パブリックドメイン)の英語の文を日本語に訳したものと、自分たちで書いたものです。IPIP の文は ipip.ori.org の文と1つずつ照らし合わせました。

ほかの診断の問題文や、すでにある日本語訳は使っていません。

訳は複数を見比べて決めていますが、国際的な訳の指針(ITC)に沿った見直しはまだ終わっていません。見直しの途中の問題は、採点に使わない「試しの問題」として出すことがあります。

いまの採点に使う問題は 160 問、試しの問題の候補は 300 問です。診断の長さは、かんたん 20 問・標準 56 問・標準+揺れやすさ 62 問・くわしく 120 問です(試しの問題を含みます)。

3. 採点のしかた

答えは6段階(まったくあてはまらない〜とてもあてはまる)で、真ん中はありません。

問題ごとに、性格の違いがどれくらいはっきり出るか(識別力 a)と、どのあたりで答えが分かれるか(区切り b)の値を持っています。この値で、段階反応モデル(項目反応理論のひとつ)を使って採点します。

軸ごとに、答え全体から「その人が軸のどのあたりにいそうか」の分布を計算し(事前分布は平均0・標準偏差1の正規分布。EAP 推定)、その平均を位置、平均±1.645標準偏差を 90% の幅として出します。計算はすべて端末の中で行います。

4文字は、軸ごとの境目(いまは英語の回答者の真ん中)のどちら側にいる見込みが高いかで決めます。どちらの側も 25〜75% の軸は「境目」として、ひとつのタイプに言い切りません。

16タイプの % は「この4文字がそのまま当てはまる見込み」です。測るときの誤差だけから出した見込みで、日による変化は含みません。英語のデータで決めた値と基準によるモデルの見込みで、日本語の回答ではまだ確かめていません。性格の強さではありません。

4. 毎回ちがう出題

標準以上の長さでは、受けるたびに問題の中身と順番が変わります。前もって決めた設計図(軸ごと・項目ごと・問題の向きごとの数)にそって、端末で作った乱数(seed)から問題を選び、並べます。かんたんは中身を固定し、順番だけを変えます。

結果のリンクには seed と、並びの確かめ用の値が入っています。リンクを開くと同じ並びを作り直して採点します。並びが合わないリンクは、ほかの問題に当てはめて採点せず、「開けない版」と伝えます。

毎回変える形は、決まった並びより1軸あたり 0〜.011 ほど信頼性が下がります(揺れやすさは .024。英語データの値によるモデルの試算)。そのかわり、同じ答えの並びをそのままくり返すことは効かなくなります。ただし、問題を覚えて答えを寄せることはほとんど防げません(くわしいは、2回受けても問題の約9割が同じです)。

5. 信頼性(英語データの値によるモデルの試算)

下の表は、英語の公開データで決めた問題の値が正しく、モデル(1次元・局所独立)が正しいと仮定して、模擬の回答で計算した信頼性です。日本語の回答で測った値ではありません。

軸ごとの信頼性(毎回ちがう出題。英語データの値によるモデルの試算)
長さ内向 ↔ 外向現実 ↔ 直観論理 ↔ 共感柔軟 ↔ 計画揺れやすさ
かんたん(20 問。順番だけ変わる).795.673.646.754—
標準(56 問).895.813.803.867—
標準+揺れやすさ(62 問).895.813.803.867.784
くわしく(120 問).933.883.890.916.869

標準の診断の目標は1軸ごとに .85 以上です。内向 ↔ 外向・柔軟 ↔ 計画は届きますが、現実 ↔ 直観・論理 ↔ 共感は届いていません(決まった並びでも .81〜.82)。中立な問題を書き足し、日本語の回答で値を決め直すまでの課題です。

標準の診断で、模擬の回答者の1位のタイプが模擬で決めておいたタイプと同じだった割合は 58.8%、日をおいて受け直して4文字すべてが同じになる割合は 42.8% でした(その日の調子の揺れなどを入れた試算)。4文字は連続した位置を区切ったものなので、境目の近くの人は受け直すと文字が変わることがあります。

下位項目の点を受け直したときの相関は、標準で .47、くわしくで .60 です。項目ごとの点は目安として読んでください。

日本語の問題の識別力が英語より2割低いと、% の見込みは実際より高めに出ます(標準で「85%」の当たりが 81% 程度)。そのため、見込みにはいつも3つの前置きを添えています。

6. 使ったデータとクレジット

問題選びと値の初期値に、次の公開データを使いました。どのデータの著者も、このサービスを推薦しているわけではありません。

データ使い道ライセンス
IPIP(International Personality Item Pool)
ipip.ori.org
問題文のもとパブリックドメイン
Johnson の IPIP-NEO-300 の回答データ(286,802人。2001〜2011年、英語)
doi:10.23668/psycharchives.2448
問題選び・値(a・b)の初期値・模擬の回答CC BY 4.0
SAPA(Condon & Revelle。2013〜2017年・2023年、英語)
doi:10.7910/DVN/SD7SVE ほか
6段階の答えでの値、端の答えの印の試算CC0
ESCS(Eugene-Springfield Community Sample。Goldberg、英語)
doi:10.7910/DVN/UF52WY・doi:10.7910/DVN/HE6LJR
IPIP-NEO 以外の問題の値、選んだ問題の確かめCC0

Kajonius & Johnson (2019) の公開データ(doi:10.23668/psycharchives.2448、CC BY 4.0)を使用しました。逆向き項目を元の向きに戻し、重複・一貫性の低い回答・16歳未満などを除いて集計しました(試算用に取り置いた 20,000人は集計に使っていません)。40,000人で段階反応モデルを推定し、その値を基準に SAPA・ESCS の値を同じ尺度へ結び、5段階から6段階への換算を作りました。この製品の問題データの a・b は、一部がこれらから導いた値(0.85 倍に割り引き、区切りの間は 0.3 以上にそろえたもの)です。データはもともと J. A. Johnson が集めたものです(IPIP-NEO-300、2001〜2011年。Johnson, 2014, Journal of Research in Personality, 51, 78–89)。著者はこの製品を推薦していません。

データ本体はこのサイトに置いていません。整理のしかたと人数は、上のクレジットのとおりです。

7. 日本語のデータが集まったら

研究協力に同意した人の回答が集まったら、日本語の回答で問題の値(a・b)を計算し直し、4文字を分ける境目と、位置の 50 にする基準(日本の人の真ん中)を決め直します。

そのあと、見込みの % が実際の当たりの割合と合うかを、予想・しっくりくる型・どっちが自分の記録と受け直しで確かめます。予想などは本人の受け止め方で、正解ではないので、当たりの割合の上限の目安として読みます。

計算し直したら、この報告の数を日本語の値に書き直し、日付と版を新しくします。それまでは、数はすべて英語データの値によるモデルの試算です。

8. 限界

  • 自分で答える形の診断です。 自分をどう見ているかを測るもので、ほかの人から見た姿や、ふるまいそのものを測るものではありません。
  • わざと寄せた答え方は防げません。 望むタイプの向きに答えれば、毎回ちがう出題でもそのタイプになります(7割の問題だけを寄せても 98〜99%。モデルの試算)。毎回変えて防げるのは、同じ答えをくり返すことや、問題を覚えて答えることの一部だけです。
  • 端の答えばかりのときに出す一言は、正直に答えた人の約1%にも出ます(英語の実データでの試算)。そのため責めない言い方にし、結果は変えません。
  • 4文字は目安です。 位置は連続していて、境目の近くでは受け直すと文字が変わることがあります。
  • 下位項目の点は誤差が大きい目安です。 項目ごとの問題は少なく、90% の幅が広くなります(受け直したときの相関は標準で .47)。ふたりの形を重ねたときの「ちがい」は、誤差を超えたものだけを出しています。
  • 「どっちが自分?」の説明は、公開しているタイプのページの「強み」と同じ文です。 そのページを読んだことがあると、見覚えで選べることがあります。そのため、この記録の一致の割合は高めに出ることがあり、上限の目安として読みます。「しっくりくる型」も上位3つを先に見せる形なので、同じく上限の目安です。
  • 向いていそうな職種は目安です。 性格と仕事への興味のつながりは弱い〜中くらい(相関 .1〜.4)で、並びは興味の傾向からの推測です。能力や向き不向きを測ったものではありません。どのタイプも、どの仕事にもつけます。
  • 関係のヒントは、点数やよしあしではありません。 2人のタイプの組み合わせで関係がうまくいくかどうかを予測するものではありません。
  • 基準集団は英語の公開データの回答者(若い英語圏の人に偏っています)で、日本の人の中での位置ではありません。
  • ほかの4文字の診断と結果がどれくらい一致するかは、公開データがないため確かめていません。
  • 医学的・心理学的な診断ではありません。心の不調が気になるときは、専門の窓口に相談してください。

9. 使い方の約束

  • 採用・選考・人事評価、学校でのクラス分けや進路の振り分けには使わないでください。
  • ほかの人を評価したり、タイプで決めつけたりする道具にしないでください。ほかの人に受けることを強いないでください。
  • 結果は自己理解の手がかりです。結果をもとにした判断は、ご自身で行ってください。

10. 変更の記録

  • 2026年10月14日(仕様 v2.1): 問題データ v4 を確定、任意の会員登録と詳しい解説の購入。
  • 2026年10月13日(仕様 v2.0): 毎回ちがう出題、下位項目を話題の名前に変更、見込みの言い方の決まり、回答の質の点検、前回との比べ、予想・しっくりくる型・どっちが自分の記録、この技術報告。
  • それより前(仕様 v1.1・v1.0): 下位項目の点とココロの形、「あいだ」の表示、詳しい解説、最初の版。

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